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【WE STORIES】vol.3 東洋製罐グループホールディングス「理念あるチームとリサイクルの啓蒙を」

オフィシャルパートナーのみなさまに、アルバルク東京のパートナーとしての活動やその狙い、込められた想いなどをお伺いし、インタビュー形式でご紹介する「WE STORIES」。第三回は東洋製罐グループホールディングスさまです。今回はイノベーション推進室 ジェネラルマネージャー 三木逸平さまにお話をうかがいました。


東洋製罐グループホールディングスさまはさまざまな素材を用いた包装容器の製造を行う、世界有数の総合容器メーカーで、創業100年を超える老舗企業です。
2019年からは長年培ってきたノウハウを活用し、外部と連携して新たな価値創造と社会課題解決を目指すオープンイノベーションプロジェクト「OPEN UP! PROJECT」を発足させ、企業や行政、スポーツチームなどと活動を行っています。
アルバルク東京とは2022-23シーズンよりSDGsパートナー契約を締結し、使用済飲料カップを会場に設置した専用機械で洗浄・回収を行う「Re-CUPプロジェクト」に取り組んでいます。

 

まず事業内容について教えてください。


三木:弊社は主に飲料や食品、生活用品の容器を製造・販売しています。1917年創業で100年以上の歴史があり、時代に合わせた課題に応えられるソリューションを包装容器と周辺事業を通して提供してきました。

 

近年は自社サービスの枠に留まらず、外部連携を通した課題解決と価値創造を行う「OPEN UP! PROJECT」という取り組みを行っており、スポーツチームとも活動されています。プロジェクト発足の経緯を教えてください。

三木100年の歴史の中で、人口増加による食糧危機や高度経済成長に伴う物資の大量需要など、その時代の課題に合わせた製品やサービスを生み出すことで東洋製罐グループは成長してきました。
しかし、人々の暮らしが豊かになるにつれて、大多数の人に当てはまる課題は減ってきています。
個々のニーズに細かく応えようとすると、企業として経済合理性が働かないため、どうしても一定のボリュームがある市場や製品が多くなっていきます。その結果、いかに容器をたくさん作って売るかが事業活動の目的になってしまうことに危機感を覚えました。

我々の強みは、時代毎に生まれる社会課題に対してソリューションを提供してきたことにあり、今一度そこに立ち返るべきではないか。そこでスタートしたのが「OPEN UP! PROJECT」です。

たとえ数人の課題を解決するための開発であっても、結果的に多くの人が欲しがる機能やサービスになる事例はたくさんあります。そういう課題を見つけて、自分たちの技術を使って解決していこうというのが、この「OPEN UP! PROJECT」のベースになっています。
現在17のアイデアを他の企業や自治体、スポーツチームと連携して行っています。

 

「OPEN UP! PROJECT」における連携先はどのように決めているのでしょうか。

三木:まず我々の長期経営ビジョンの中で掲げる3つの重点領域、「食と健康」「快適な生活」「環境・資源・エネルギー」に当てはまるかどうか。
ただ、例えば「食と健康」の領域でも、健康寿命を伸ばすという大きな課題から、明日の献立をどうするかという身近な課題まであります。まず3つの領域の中で課題を持った人、またそれを解決したいと思っているパートナーを探していきます。


もう一つは、我々の技術やノウハウがマッチするかという点です。
企業として、ただお金を出して解決するのではなくて、新しいパッケージやプロトタイプを作ったり、その周辺の技術提供、例えばテスト充填や製品化サポート、または顧客ネットワークを活かすなど、いかに自分たちがパートナーと一緒に汗をかけるかということが大切です。課題と我々にできることがマッチすればそれがアイディアになっていきます。

その中でなぜスポーツチームに着目したのでしょうか。


三木:スポーツの大きな魅力というのは、地域に根ざしていることと、その発信力にあると思っています。
どうしても我々が持つ発信力には限りがあって、こちらからの発信やCSR活動は一方的な情報提供になってしまいがちです。
しかし、我々の商品である容器は使い終わるとごみになるため、社会インフラと密接に関わっており、その回収・循環の仕組みづくりと啓蒙活動は必要不可欠になってきます。
そこでスポーツチームの発信力に注目しました。
例えば、我々が缶やペットボトルを世に出したときは、まずリサイクル協会をつくって回収や循環の仕組みを考え、自治体に説明してインフラを整備し、初めて製造・販売ができる状態になりました。
ごみになれば社会問題に発展してしまうため、容器ビジネスにおいて回収・循環のプロセスは非常に重要です。それができなければ販売自体が難しくなってしまいます。容器メーカーにとって一番のリスクは、人口減少による売上減でも、競合との競争でもなく、社会から不要なものになることです。
そこで若い層を含めて幅広い人たちにアプローチができるスポーツの力というのはすごく偉大だと感じていて、その発信力とスピード感、チームとしてのスタンス、ブランド力という観点から一緒に取り組みを始めています。

 

アルバルク東京と取り組みを始めた理由を教えてください。


三木:競技が異なりますが、プロサッカーチームの鹿島アントラーズとパートナー契約を結んでいて、そのプレスリリースが少し話題になりました。すると、すぐに今担当してくださっている吉さんからアルバルク東京とも何かできないかとご連絡がありました。

:アルバルク東京として環境に配慮した飲料カップへの切り替えを検討していた際、東洋製罐グループさんが鹿島アントラーズさんとともに子どもたちに楽しんでもらいながらキャップを回収するSDGsの活動に取り組んでいることをHPで拝見しました。
そこから「Re-CUP WASHER」という飲料カップを洗浄、回収する機械を開発していることを知り、その辺りで何かご一緒できないかとご連絡しました。

三木:実は他のスポーツチームからも連絡はあったのですが、どこもプロモーションを絡めた話でした。そうなると露出効果やイベント、冠試合、集客やお金の話になっていくわけですが、我々はプロモーションをしたいわけでも、名前を売りたいわけでもありませんでした。

一方でアルバルク東京は「ALVARK Will」という理念を掲げてSDGsへの取り組みを積極的に行っており、その活動と融合させたいという提案は他とは違い、本気度が伝わりました。

 

アルバルク東京ホームゲームでも設置している「Re-CUP WASHER」はどういったものなのか、開発経緯含めてもう少し詳しく教えてください。


三木:もともと我々は紙コップのシェアが非常に高くて、特に飲料用紙コップにおいてはシェア7割を超えています。逆に言えば、日本一ごみになる紙コップを作っているのです。トップメーカーとしてリサイクルは大きな課題です。

リサイクルする上でポイントになるのは、いかにきれいな状態で集められるかです。
例えばビールのカップだけを集めて、トイレットペーパーやティッシュペーパーにするといった活動は昔からありました。ただ、飲み残しがあると外側が汚れてしまったり、ソフトドリンクなどの糖分が入った飲み物は時間が経つと洗っても汚れが落ちなかったりする問題があります。さらにそこにスープや惣菜などが含まれてくると中身をよりきちんと洗い流す必要があります。
つまり「飲み終わった直後に洗い流せる機構をつくる」ことが一番重要です。

そこで開発したのが、その場で紙コップをすぐに洗浄できる「Re-CUP WASHER」です。
いかに簡単で、洗うのが楽しくなるかを意識してつくりました。

 

「Re-CUP WASHER」の利用を促進させるためにはどういったことが大切になるのでしょうか?

三木:まず設置場所が重要です。どこでカップが空になるのか?どんなごみと一緒に持ち運ぶのか?どのタイミングで?など人の導線を意識し、会社なら給湯室、カフェならごみ箱の近くなど設置場所を検討します。一方で、ただ置いてあるだけでは、使い方や捨て方がわからないので、どのように説明すれば伝わるかも考えなければいけません。

そもそもアリーナでは“捨てる前に洗う”という概念がないので、まずは「Re-CUP WASHER」の存在を周知させる必要があります。
次に、ハーフタイムや試合終了後など人が殺到することもふまえて、どこに何台置けば回収率が上がるかという検討も必要です。

現状、利用促進の施策としてはインセンティブとしてグッズと交換できるスタンプを付与しています。
今もアルバルク東京と試行錯誤しながら改善を続けており、今後はもしかしたら機械自体のアップデートが必要になるかもしれません。
いずれにしても、いろいろなことを現場で検証できるのはありがたいです。

 

設置に伴う具体的な成果や課題について教えてください。


三木:現時点での回収率はおおよそ30%です。一定の効果は出ていると思いますが、もっともっと回収率を上げる必要があります。
あとは紙資源として回収したものを別の形でアルバルク東京に還元していきたいです。例えば回収した紙コップを段ボールの原紙にしてファンクラブ会員の方にグッズを送る時に使ってもらうような座組も考えています。

“自分が洗う”というたった1つのアクションが、紙コップをただの燃えるごみにするか、再生資源にするかの分岐点になります。また、再生された紙コップがどういった形で循環してもう一度アリーナに戻ってくるのかを可視化することで、このプロジェクトの目的が本当に伝わり、アリーナに足を運んでくれた多くの方を巻き込むことができると信じています。
そして最終的にはアリーナ以外でも無意識にごみを資源に変える習慣が根付いてほしいと思っています。
何かをもらうため、環境のために意識的にするのではなくて、容器は洗ってから捨てるのが当たり前になると一番うれしいです。

東洋製罐グループとしては、将来的に紙コップを水平循環させていくのが一つの目標です。というのも、まだ回収した紙コップからもう一度紙コップを作るというのは技術的に確立できておらず、我々はそれをクリアしなければいけません。
そのために重要なのは、キレイな紙コップをきちんと回収することです。
回収率を上げつつ、紙コップの水平循環の技術を確立すること、この両面をやっていかなければいけないですね。

 

他にアルバルク東京との活動で感じていることがあれば教えてください。


三木:アルバルク東京は非常に積極的に動いて意見やアイデアもくれるし、それを実際にアクティベーションしてくれているというのはすごいなと思います。我々だけではなく、他のパートナー企業との取り組みを見てもそれは感じています。

また、具体的な取り組みで印象的だったのは、今年3月に実施したルークDAYで、我々が設置した「ルークのおうち」です。リサイクルできる段ボール製テント『DAN DAN DOME』に、ルークやチームへのメッセージを書き込めるようにしました。本当に多くの方が書いてくださって非常に嬉しかったです。
アルバルクファンの熱い想いを、我々が設置したドームを通じて感じることができたという点がよかったですね。
今後はSDGsパートナーとして、ただ私たちの取り組みに賛同・参加してもらうのではなく、会場に足を運んでいただいた皆さんから、直接フィードバックを得られるような双方向のコミュニケーションが取れると、より良い取り組みになると思っています。

次もルークを絡めたことを何か一緒にやりたいですね。会場でルークが描かれた紙コップをずらっと並べてくれている方を見かけると感動すら覚えます。全部洗ってほしいです(笑)
ルークDAYではオリジナルキャップ型キーホルダーを作成したのですが、次はルークにちなんだどんなものを作ろうか考えています。

 


アルバルク東京は新アリーナ計画が進んでいますが、そこでやってみたいことはありますか?


三木:ごみ箱は、箱そのものだけではなく、使う人、シチュエーション、イベントの種類や周辺で売っているものなど、さまざまな観点からデザインを考えるのが重要なので、そこから一緒にやれるといいですね。

単純に数が多ければいい、近くにあればいいという問題でもないんです。
実は、大きい文字で「もえるごみ」や「ペットボトル」というラベルを記載するのはあまり意味がないんです。実際は人がいるとごみ箱に何が書いてあるかは見えなくて、結局近くまで来て中身を見て、それに合わせて捨てることが多かったりします。
つまり、文字よりも何が捨ててあるかが見えるほうが重要だったりします。そういった仕掛けを含めた、回収場所の設計からご一緒できればうれしいですね。
現状、一番効果があるのは人がそこに立つことと言われていますが、その要素は排除していきたいです。

 

最後に今後の展望を教えてください。


三木:東洋製罐グループにとって、機能性とリサイクル性を両立した容器を作ることは使命であり、私たちの存在意義です。
アルバルク東京を勝利に導くためには、アルバルクファンの皆さんの声援が必要不可欠です。それと同じように、使った後の容器を再び循環させるには、皆さんのご協力やアクションが必要不可欠です。
人々を一つにするスポーツの力を借りながら、循環型社会を実現させるべく、引き続きアルバルク東京と一緒に活動していきます。


 

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